初夏から始まったこのコラムも13週目に入り初秋を迎えました。
さて、今回は家相の代名詞ともいえる「鬼門」についてです。
前回までは土地相を中心にみてきましたが、今回は日本人であれば誰もが知っているワード、鬼門です。
鬼門の起源は諸説あり私のHPにも記載しているので今回は触れません。
鬼門(北東)と裏鬼門(南西)があり家相ではこの方位に配する用途が限定されます。方位を24分割して丑寅艮の45°のカテゴリーが鬼門で、申未坤の45°が裏鬼門です。
この部位は建築学的にも厄介な部位です。様々な注意点がありますが今回は鬼門部位に設ける開口部(ドア、中連窓、掃き出し窓)についてみていきます。
鬼門の北東部は日照時間も少なく、特に冬の間は終日の間太陽を仰ぐことはありません。
家相ではココに開口部を設置すると凶相とします。
世間には家相鑑定士と称する占い師があふれています。インターネットで検索しても多くのホームページが並びます。この中でも占い師に属する人達は鬼門に開口部はイコール凶相として片付けてしまいます。
しかし建築学的には全く窓を設けないわけにはいきません。ここで見極めなければならない事は、家相は単純な占いの範疇には属さないという事です。家屋の構造の指導をするという事は建築学を習得していなければ指導はできません。その意味でも家相鑑定には建築学を学び建築士の資格を取得している事が条件となります。
話が横道にそれましたが、鬼門の開口部については必要な窓は設置しても構いませんが、その量と質が問題です。
この部位は極力人の出入りする掃き出し窓やドアは避けたほうがいいでしょう。設ける場合は中連窓としますが仕様は樹脂サッシでペアガラスであれば最適です。
鬼門の北東は結露によるカビが発生しやすく空気が淀みます。ペアガラスも樹脂サッシも結露の発生を防ぐ効果がありますので対策としてはこれを使用する事が必要です。
樹脂サッシはオール樹脂と、アルミが外部 樹脂が内部の複合サッシがあります。オール樹脂サッシを裏鬼門の西南側に用いる場合は耐候性が多少劣るのでメンテナンスに注意してください。
外壁も断熱材を用いた仕様は当然ですがサッシ廻りは特に断熱に注意する事。
人の出入りする掃き出し窓等は極力避けるといいましたが、開口部の中でも「玄関ドア」は禁忌です。設けないで下さい。
これは家相でも大凶ですが、建築学的にみてもお薦めしません。
玄関ドアは出入りが最も多い開口部です。冬は人が 出入りする度に強い北風が吹き込みリビングや各居室まで流れこんで暖房効率も落ちます。
風圧も強いので開けていたリビングのセンタードアが急激に閉まる事もあり危険です。
建築学的にはファサード、人間でいえば顔に当たる玄関であれば、こういう寒々とした環境で家族や客を迎い入れる事は避けたいものです。
今回はまだまだ「鬼門」についての一部ですが今後は折々に触れていきます。