「あなたの部屋は、美しい空間ですか?」と聞かれたら、どう答えますか?そもそも美しい空間とは、どんな空間でしょうか。掃除が行き届いていて、清潔感があること。そして、統一感があること。これが美しい空間の基本ではないかと思います。つまり、「きれい」ということですね。
では、魅力的な空間とは?これは、住む人の価値観や個性が大きく左右します。そして、適度な生活館も、実は魅力的な空間には欠かせません。
そこに住む人が自らの空間を楽しんでいる、と感じる空間は、他人にとっても心地よいのです。
何だか、人の顔と似ていませんか?目鼻立ちが整っている美人さんだからといって、必ずしも魅力的ではないこともありますね。個性を活かし、自分の事をよく知っている人は、とても魅力的です。
いくらキレイに整えられた空間でも、そこに住む人の個性や「暮らし方」が感じられて初めて、魅力的な空間になるのです。
インテリアコーディネートを考えるその前に、自分がどんな暮らしをしたいのか、その空間でどんな生活がしたいのか、と考えてみましょう。本当に快適な暮らしのためには、単にインテリアを整えることだけでなく、もっと暮らしの根っこが大事なのです。そんな暮らしの根っこになるものが、「ライフオーガナイズ」です。
ライフオーガナイズとは、単なる空間の片付けではなく、思考や時間など、生活そのものを整理して見直すこと。時代とともに生活が豊かになったものの、モノ・情報・空間、あらゆるものを必要以上に多く所有し過ぎ、最も重要な資源である時間が足りなくなり、かえって豊かな生活から遠ざかってしまう…。
空間においても思考においても、“不必要なモノを取り除く”という『整理』という技術は非常に重要です。しかし不必要なモノというのは、自分にとって何が必要なモノか、何がどんな順番で重要なのか、という価値観が明確でない限り、全て必要なモノに思えるもので、結局必要なモノと不要なモノが混在した空間で、整理する以前の段階でストレスを感じたまま過ごすことになってしまうのです。
さらに昨今、整理=捨てること、という間違った思い込みにより、捨てられない自分にコンプレックスを抱く方も少なくありません。本来快適な暮らしのための手段であるはずの『整理』が、目的になってしまい、「捨てること」に追われる生活をするというのは本末転倒です。
空間や暮らし、人生を効果的に準備・計画・整理し整えるためには、目先の事だけではなく全体を捉え、その状態を維持し、さらに再現性をもたせる必要があります。
そこで整理以前のモノの要不要の区別ができるスキルや、モノだけではなく思考や時間の整理術、再現性のある具体的な整理収納の技術を、総合的に体系だってまとめられたものがライフオーガナイズというスキルなのです。
そのようなライフオーガナイズの考えを多くの方々に知っていただき、本当に快適に心地よく暮らす方が増えるよう、こちらのコラムでも情報を発信をしていきたいと思います。