建築には建物本体だけでなく、様々な費用が必要

一生で一番大きな買い物なのに、金額が分かりづらいと言われる住宅…。建築業者の見積りを見てみると様々な項目を目にすることが出来ます。業者によって表示方法はバラバラですが、オーソドックスなものに関して解説していきたいと思います。

本体工事

建物の本体に関わる工事には次のような項目があります。

〇仮設工事 ： 建物の周りを囲む足場や覆い等の工事です。
〇基礎工事 ： 鉄筋コンクリートで建物の土台を作り工事です。
〇構造体工事 ： 建物の骨組みを創る工事です。
〇屋根・板金工事 ： 屋根瓦などの工事です。
〇外装工事 ： 外壁部分の工事です。
〇木工事 ： 構造体以外の間仕切壁等を組む工事です。
〇建具工事 ： ドア・引き戸などを取り付ける工事です。
〇石・タイル工事 ： 玄関タイルなどの取り付け工事です。
〇左官工事 ： モルタルや塗り壁などの工事です。
〇内装工事 ： 壁紙を貼るなどの内装材の工事です。
〇設備工事 ： キッチン・トイレなどの設備工事です。
〇その他工事 ： その他の工事です。

以上が建物本体工事といわれることが多いですが、明確な定義は無いため、メーカーによっては仮設工事が次の付帯工事に含まれたりすることもあります。

メーカーは各々プレスリリースなどで商品の本体価格を発表していますが、個人的な意見では打ち出しの金額と実売価格には開きがあると思います（実売価格の方が打ち出し価格よりも坪5?10万円高い）。

本体価格を正確に知ろうと思うと見積りを取るしかありませんが、ローコストメーカーで坪40?50万円、中級メーカーで50?65万円、高級メーカーで65?80万円という価格帯であることが多いと思います。ただし、同じメーカーで建てても仕様によって金額が大幅に開くことはざらですので、あくまでもただの目安にしてください。

付帯工事

建物本体以外で建築に必要な工事のことです。次のような項目があります。

〇解体工事費 ： 古い家屋を取り壊す工事です。
〇地盤調査費 ： 地盤の固さを図ることで補強が必要かどうかを調べる費用です。
〇地盤補強工事費 ： 地盤が弱い場合に補強をする工事です。弱さの程度により、補強の方法は変わります。
〇屋外電気工事費 ： 道路の電線から建物に電気を引き込む工事です。
〇屋外給排水工事費 ： 上下水道と建物を配管で繋ぐ工事です。
〇合併浄化槽工事費 ： 浄化槽を埋める工事です。下水道が整備されていない場合必要です。
〇屋外ガス工事費 ： ガス管からガスを引き込む工事です。
〇冷暖房設備工事費 ： エアコンなど冷暖房器具の設置工事です。
〇電話・ＴＶ工事 ： 電話やケーブルＴＶの引き込み工事です。
〇照明工事費 ： 建物に照明器具を取り付ける工事です。
〇カーテン工事費 ： 建物に取り付けるカーテンの費用です。
〇家具工事費 ： 建物に家具を作りつける場合に発生する費用です。
〇外構工事費 ： カーポート・ブロック塀・門・植栽などの工事費用です。

敷地の状況によって異なってくると思いますが、解体や造成をする必要の無いきれいな土地であっても500万円程度は必要になってくると思います。付帯工事は建物本体と違ってメーカーの特色が出る工事ではないのですが、利益はしっかりと上乗せされていることが多いため、うまく分離発注をすることで建築費用を抑えることもできます。

正確には見積りを取るのが一番ですが、検討初期の予備知識としてこのくらいの情報を持って置いていただくとよいかと思います。どうぞ参考にしてくださいね。