先週は分離発注のメリットとデメリットについてふれましたが、今回は施主支給のメリット・デメリットについてお話したいと思います。
施主支給のメリット
施主支給も分離発注と同じく、最も大きなメリットは『コストの削減』です。
ハウスメーカーや工務店が設備に上乗せするマージン(価格の15~35%)を削ることが出来るわけですから、その分の費用は他の工事に回したり、家具やインテリアの購入に使うことが出来ます。この点は前回お話した分離発注と同じですね。
施主支給が分離発注と大きく異なる点は、分離発注が『全ての工事項目を自分で手配しないといけない』のに対して、施主支給は『自分で手配する項目を選ぶことが出来る』という点です。
分離発注を行おうと思うと、建築の最初からそれを前提にする必要が有るため、大きな覚悟が必要ですが、施主支給を行う場合は、建てるハウスメーカー・工務店を決めたあとでも、そのときのご自身のゆとりに合わせて手配する項目を選択することが出来ます。キッチン、給湯器、外構工事といった金額の大きな項目に絞って施主支給を行うだけでも結構な費用削減効果になりますので、分離発注と比べるとお手軽にコストダウンをすることが出来ます。
またハウスメーカー限定のお話になりますが、『施主支給をすることによって、選べる部材の選択肢が増える』というメリットもあります。
ハウスメーカーは建築確認申請(家を建てるときに役所に出す申請)を簡略化するために、『型式認定制度』という制度を取り入れています。『型式認定制度』とは「ある一定の部材、ルール内で建てられた家であれば、構造計算書が不要」という国土交通省のお墨付きをもらう制度です。ハウスメーカーはこの制度を取ることによって、確認申請の負担を減らして大量受注へと繋げているのですが、認定を取っていない部材は使えないため、稀に「付けたい設備が付けられない」ということが発生します。
そんな際に、建物が完成したあとのリフォームとして『施主支給部材』を取り付ければ、型式認定制度を回避することが可能になります。(ちなみにハウスメーカーが一貫してリフォーム工事まで行うと、型式認定外の設備を後付する前提で虚偽の確認申請を行ったことになりますので、法的に×です。工事を行う際には、施主支給工事を請け負う業者と相談の上、くれぐれも合法的な手段をとってください。)
施主支給のデメリット
お手軽でコストも削減できるというように良いことだらけのように感じる施主支給ですが、デメリットも忘れてはなりません。
分離発注のデメリットとして、前回は補償の問題を挙げましたが、施主支給工事に関しても同じことが当てはまります。
例えばキッチンを施主支給したとします。完成後キッチンから水漏れが起こった場合に、その原因はキッチン工事を行った施主支給業者に有るのか、それとも配管工事を行った建築会社に有るのかという問題が起こる可能性を避けて通ることは出来ません。
また、工事のスケジュール、部材通しの収まりといった問題も施主が気をつける必要が出てきますので、やはり手間は増えてしまいます。
分離発注の比べると、リスクも手間も下がりますが、やはり自分で手配する以上は責任が出てくるというもの。その点を良く理解した上で、施主支給を勧めるのが良いでしょう!
次回は『分離発注を成功させるための注意点』をお話します。どうぞお楽しみに!
外構工事を自分で手配したいという方に
今日は「外構工事を施主支給したい」という方向けに、とっておきのエクステリアデザイナーさんのご紹介です。
そのデザイナーさんとは、この楽住で火曜日のコラムを連載いただいている、小林勝郎さん。東京に本社を構える【コルツ】というエクステリアデザイン事務所を率いていらっしゃいます。
テレビや雑誌に何度も取り上げられた大人気のショップで、東京・千葉・神奈川と広いエリアで素敵なお庭造りを提供されています。
どこに声をかけようかと迷われたら、まずは小林さんにご相談ください!きっと素敵な提案が返ってくること間違いありません。
コルツ: 根岸アトリエ(本社)〒116-0014東京都荒川区東日暮里4-5-6
TEL:03-3801-9728 フリーダイヤル:0120-128-562
http://www.colts-g.com