かつては飛ぶ鳥 落とす勢いも
省エネ、安全、便利、など様々なメリットと芸能人のCM起用で飛ぶ鳥落とす勢いだったオール電化。昨年度は新築の家の約半数がオール電化住宅になっており、ずいぶんとシェアを伸ばしていました。
「このまま行ったら、ガス会社は大丈夫?」という心配までありましたが、3月の震災を機に情勢が変わってきているようです。
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関東で現象が顕著
富士経済が10月25日に発表した記事によると、『関東エリアでオール電化住宅が激減』とのこと。2011年度の見込みは『震災前58.4万戸⇒震災後50.1万戸』と2006年度の水準まで減っています。震災の影響によって12.5%も数を落としているわけですから、かなりの影響ですよね。
原因として述べられているのは、
- 震災直後からのオール電化機器の調達不足
- 原発事故・節電意識の高まりなどを背景としたオール電化へのマインド悪化
の2つです。
?に関してはガス機器メーカーも同じく影響を受けているように思いますので、どちらかというと?の方が深刻だと思います。原発事故への対応の悪さから来る不信感が電気に対するイメージを大きく下げてしまっているのですね。
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イメージと機能面の切り分けが大切
これから設備を選ばれる方はどうすれば良いのでしょうか?
私は、イメージだけで判断するのではなく、自分のメリット・デメリットを考えて設備を選ぶことが最も大切だと思います。
震災後の復旧スピードを見てみると、電気⇒水道⇒ガスという順番になっており、災害時に強いということは変わりありません。(被災地ではその点が評価されており、震災後もシェアは落ちていません。)また、販売台数が伸びている『太陽光発電』・『蓄電池』との相性が良いのはオール電化住宅の特性です。
電力会社のずさんな原発管理が次々と明るみになるにつれて、非常に残念な気持ちになりますが、一生に一回の家作りですから、『イメージと設備選びは別』と割り切って、設備を決めてみてはどうでしょうか?
■富士経済GROUP リリース
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/press/pdf/111025_11101.pdf