今回は2週にわたってお送りしています施主支給成功シリーズの後編、『施主支給を成功させるためのポイント:後編』をお話します。
図面は必ず建築会社・施主支給会社で共有する
図面の共有は施主支給工事において最も重要なポイントです。
一軒の家を建てるためには様々な職人さんの力が必要がです。
キッチンを例に挙げると、
1.キッチンが取り付く場所まで配管屋さんが配管を引っ張り、
2.換気扇が取り付く場所に大工さんが穴を開け、
3.キッチン本体を設備屋さんが取り付けた後、
4.フローリングや壁紙を内装屋さんが仕上げる。
といった流れになります。
建築会社に施工を一任した場合、全ての業者への指示は建築会社が出すことになりますが、キッチン本体を施主支給の場合は事情が異なります。
1?4の流れで言えばキッチン本体を工事するのは設備屋さんですね。この場合の注意点は
『設備屋への指示を出すのは建築会社ではなく、依頼主であるあなたである』
ということです。
そうは言っても、プロでもないのに現場で柔軟な指示が出せるはずもありませんよね?
そこで大切なのが、
A.施主支給会社に建物図面を渡す
B.建築会社に施工予定図を渡す
の両方を行うということです。
施主支給会社に建物図面を渡すのはもちろんですが、建築会社に施工予定図を渡すことで建築会社の設計担当者に他の部材との干渉が無いかというチェックをしてもらうことが出来ます。Bは忘れがちなのですが、これを怠ったばかりに後々工事のやり替えが必要になってしまうこともありますので、是非守ってください。
銀行との相談も忘れない
施主支給を行う場合、支払いにも注意が必要です。
通常、ハウスメーカーや工務店に依頼する場合、費用の払い込み先は建築会社1社のみとシンプルです。銀行ローン打診の際には建築会社の見積書と請負契約書を用いれば全ての経費を説明することが出来ますし、ローン実行時にもご自身の口座に振り込まれたローンを中間金、最終金というようなタイミングで数回払い込めば済むと思います。
また、提携ローンが使える場合には銀行から建築会社に対して直接ローンが払い込まれるため、いっそう手続きは楽になります。
一方施主支給の場合はどうでしょうか?
施主支給を行う場合は、見積書はキッチン、給湯器、解体工事、というように、工事項目ごとにバラバラになってしまいます。ですから、銀行ローンの事前打診時にもそれぞれの見積書や契約書を提出して、銀行担当者に対して工事費の内訳を説明する必要があります。うっかり見積りを提出し忘れてしまうと、『ローン金額がショートしてしまい、追加で融資の申請をしなくてはいけない…(手間も手数料も余分に掛かります)』なんてことになってしまいますので、注意が必要です。
また、支払いに関してもそれぞれの項目ごとに払い込み先・タイミングがバラバラになりますので、支払いが遅れないタイミングでローン実行をしてもらえるように銀行には相談をしなくてはなりません。
ポイントを守って、施主支給のメリットを是非享受してくださいね!