営業担当者の言葉の真偽は?
ハウスメーカーの担当者に一戸建ての外観についての質問をすると、「外観はどういう風にでも出来ますから、大丈夫ですよ。」という回答が帰ってくることが多いと思います。
「〇〇さんがそういうなら、きっとその通りなんだろうな。」
「いったい、どこまでが本当かしら?」
と受け止め方は様々ですが、その真偽のほどはどうなのでしょうか?
ある程度どういう風にも出来る部分
一戸建て住宅の外観を決める要素は色々とありますが、その中で業者が違っても対応が変わらない部分をご紹介します。
〇家の凹凸
家の凹凸は外観を作る上で重要ですが、凹凸は間取りと連動します。今の建築会社はほとんどが自由設計ですから、ハウスメーカー・工務店によって差が出ることは少ないと言えます。ちなみに、2×4系やユニット系の工法はあまり入り組んだつくりが得意ではありませんので、複雑な形状を希望される場合は注意が必要です。
〇窓配置
窓の配置もハウスメーカー・工務店によって差が出ることはほとんどありません。ただし、窓を長い距離(幅3600mm以上)にわたって連続させる場合は、壁パネルで支える工法や在来木造には苦手な配置といえます。
〇屋根形状
屋根形状も上の2つ同様、建築会社によって差がでにくい部分だと思います。これも間取りと連動する部分ですね。ちなみに、庇形状等に細かいこだわりがある場合は、事前に担当者まで確認をしておいたほうが良いでしょう。
どうにもなら無い部分・出来ても割高になる部分
一般的に、ハウスメーカーや工務店で使われる外壁材や窓は、ハウスメーカーが独自開発したものではなく、建材メーカーが作ったものを採用しているケースがほとんどです。
しかしながら、建材メーカーから出荷できる部材であれば、どの建築会社でも採用を出来るかというと事情は異なります。
家を建てるときには、必ず建築確認申請という申請を役所まで出しますが、一年で何千棟という家を建てるハウスメーカーは、申請を簡略化するために『型式認定(かたしきにんてい)』という認定を取っています。
これは『この範囲の部材を、こういうルールで組み立てます』というハウスメーカーの商品全体に対する認定です。この認定はハウスメーカーが良く使う部材(ハウスメーカーのカタログに載っている部材)以外には取られていないことがほとんどですので、それ以外の部材を使おうと思うと、あらたに建築確認申請を一から出さなくてはなりません。
すると、必要な費用は『ハウスメーカーの通常の見積り+構造計算費用+建築確認申請費用』となり、かなり割高な家づくりとなってしまいます。
内装材であれば融通が利きやすいのですが、家の耐久性に直結する外装材は型式認定外となる可能性がかなり高いので、標準外のものを入れようと思うと難しいケースが多いです。下記に挙げる部分でこだわりがある場合は、メーカーを検討する初期段階で、実現が出来るかどうかを担当者に確認したほうが良いと思います。
〇外壁材(サイディング、塗装、タイルなど)
〇特殊な形状の窓(円形の窓、規格外のはめ殺し窓など)
〇玄関ドア
〇その他外装材(モール、棟飾りなど)
具体的なイメージは、事前に見てもらったほうが良い。
他にも、事前に具体的なイメージがある場合は必ず担当者に確認をしておいた方が良いと思います。
後になってから「出来ませんでした」では悲しい思いをするだけですから、事前の確認をしっかりとして、悔いが残らないようにしましょう!