建築家の注文住宅・一戸建ての家作りブログ 楽住-rakunism-

 

Step-House

施主

Kazuya Fujiwara

延床面積

103㎡(31坪)

構造

木造

階層

3階建

建築メーカー

建築家

こんな住まいブログ

2010年9月に一人の建築家さんの手によって完成したこちらのお住まい。シンプルな外観のお住まいですが、ひとたびドアを開けると、そこにはスキップフロアが織り成す開放感が広がります。家のすばらしさもさることながら、特筆すべきは『家作りに対する考え方』です。「家作りの本当の豊かさは、性能面を超えたほかの部分にあるのではないか」という価値観は、あなたの家作りに対する考え方をガラッと変えてくれるかもしれません。凄く深いお話なので、是非一度足を運んでみてくださいね。

私の家の『見所ポイント』はココ!

スキップフロアー

31坪の敷地に31坪の3階建て。敷地をいっぱいに使ったスキップフロアー構造。車高2.5mのクルマの駐車スペース、その上に浮いたように張り出すLDK、機能の詰まった家族4人それぞれの個室、張弦梁を利用した高い天井、職人さんの気持ちがこもった施工技術と、建築家と二人三脚で造ったおうちです。
step-house skipflower

step-house living kitchen

くつろげるダイニングスペース

リビングスペースとダイニングスペースを分けるほどスペース的にも余裕もないので、くつろげるリビングルームを目指しダイニングとリビングを兼用としました。ポイントはテーブル高さを630mmと低めに設定。テーブルとベンチは工務店さんにラバーウッドで造作してもらい、キッチンもシンプルに機能優先のオーダーキッチンとしました。

朝日が降り注ぐデッキテラス

燦々と朝日が降り注ぐデッキテラスは3Fにあります。このデッキに面したところに浴室とサニタリー。リビングおよび各階への光はここから取り込まれてます。外観からは想像できない室内の明るさの理由はここからの光・・・と風・・・ 浴室にもこのデッキからの光と風を取り込んでます。 シンボルツリーのシマトネリコをデッキにも・・・
step-house terace

特徴:趣味の家,こだわり内装,こだわり外観,高気密高断熱,オール電化,ビルトインガレージ,自然素材


ブログ:My Home Project(http://myhomepj.jugem.jp/)

 

Twitterコメント

 

“Step-House” への8件のフィードバック

  1. 建築家ならではので、プランですね。1票入れさせて頂きます。
    もし、宜しければ当サイトにもコメント頂けるとうれしいです。

  2. てつぽんさん
    コメントありがとう御座います。ちょうど同じ年の建築家の方を見つけて意気投合してしまいこのいえを建てました。

  3. 「住みやすい家」ってので綴ってみました。
    そう言えば、”Step-House”を設計してもらった佐々木さんから「Helmets Labo 通信」を頂きました。

    その中で大川さんが”楽しむ”家づくりっと言うお題で下記のように書かれてます。
    私も全くその通りだと・・・思った次第です。

    ご本人の許可を頂いたわけでは無いのですが全文を引用させて頂きました。

    ———-
     打合せ中、壁にぶつかるといつも、この過程も楽しみましょう!と笑う事にしています。断熱材の厚みや隙間の面積など、性能面では家のレベルが一定化されつつあり、この決まりを守って作れば書面上はいい家として認められます。

    でもちょっと違和感がある人は実は多いのではないでしょうか。そんな中、設計事務所との家づくりを求めている人が増えています。設計事務所が無くても家は建つのになぜでしょう。家づくりに必要とされているのは何なのかと考えて行き着いたが”楽しむ”家づくりというキーワードでした。

     目新しいデザインだけを住宅に求めている人はいません。それ以上に、納得する家が欲しいと思う人が増えています。これって、数年前から食の世界で言われるようになった「スローフード」に似ています。スローハウス・・・じゃ誰もお仕事を依頼してくれそうにありませんが(苦笑)、材料や作る過程を見極めて選択する事が納得する家づくりの元(もと)ではないでしょうか。広さや部屋数、建売や3ヶ月で出来る家よりも、せっかくの家づくりなのだから積極的に参加して納得して暮らしたい。だからその舵取りのパートナーとして設計事務所が選ばれるのだと感じています。

     そこで、”楽しむ”家づくりです!暮らしの中で大切にしている事を見つけ出し設計図に反映していく丁寧な打合せからいい家は生まれます。手をかけた分愛着が沸き家を可愛がれば当然その分長持ちします。住宅はただ作るのではなく作る過程を”楽しむ”事!楽しむとは真剣に向き合う事。

    人と向き合い、言葉が通じて形になっていく過程はこの上なく楽しいものです。建築は理系であって芸術系で文系、つくづく奥の深い世界です。
    ———-

  4. 引き続き、「Helmets Labo通信」からStep-Houseの設計をして頂いた佐々木さんからの記事を紹介します。
    こちらも賛成ですね・・・当然か・・・

    こんな佐々木さんと出会えたのが嬉しいですね・・・

    ———-
     家は小さくつくるのが良い。土地が広いとか狭いとか、お金があるとかないとか、そんな些細な事は関係ありません。家は小さい方が楽しいのです。人生楽しくないとツマラナイから、家は小さい方が良いのです。なぜ小さいと楽しいのか?それをちょっとだけお話しします。
     小さくつくるためにはいろいろな寸法がぎりぎりになります。ぎりぎりにするという事は、それらをよく知らなければならず勉強しなければなりません。自分に適した椅子の大きさはどれくらいなのか、自分にとって必要な洋服や靴の量はどれくらいなのか、冷蔵庫はこれ以上大きいものは買わないか、あらゆる事を調べて決断する事になります。そんな事をしているうちに自分の事、家族の事がいろいろと見えてきます。
    たくさんの発見があります。家をつくる事は、自分を知る事とほぼ同意語です。自分をデザインする事に他なりません。
     ちいさな家だからといって窮屈なわけではなく、むしろその逆です。ちいさな家をつくるコツはたくさんの居場所をつくる事です。春夏秋冬、朝昼晩、皆で過ごしたい場所、本を読みたい場所、ちいさな家の中にちいさな居場所をたくさんつくるのです。
    そうすると家はとても楽しくなります。また建物をちいさくする事で、外部空間を楽しむスペースが生まれます。屋外にちょっと腰掛けるベンチがあるだけで生活はグッと豊になります。緑と共に鳥の餌場もつくります。

    楽しい家が出来ると私もいっしょに幸せになった気がします。

    ———-
    StepHouse
    昨年完成した地上3階縦の木造住宅。階段を半階ずつ上がるごとに部屋があるスキップフロア形式の住宅です。細長い形状と北側道路の敷地に対して日当たりを確保するための方法として採用しました。スキップフロアによる効果は各階が孤立してしまわない事、どの階にいても上下階の様子が垣間見える事、風や光が心地よく通る事です。大きな立体ワンルームとなります。

    佐々木善樹
    (有)佐々木建築研究室
    ———-

  5. 設計をお願いしたHelmets Laboのオフィスは築40年、廃墟歴20年の一軒家をオフィスとして改造した素敵な空間。私の家の建築家佐々木さんのオフィスもここにあります。

    佐々木さんから頂いたそのHelmets Labo通信の中で気になる特集が「Aging」
    そのまま引用させてもらいます。

    家や建物をつくる時いつも思う。折角つくるのだから永く住んで欲しい。永く愛される家となって欲しいと思うのだ。家は住む人の思いを形にするすることだと考え、その思いを探り当てる事に設計の作業を集中させる。そんな中での具体的な話としてこれからつくる家は一体何年持つ家にすればよいのかと聞いてみる。聞きようによってはずいぶんと乱暴な質問で、聞かれた方は答えようがなくて困ってしまうのだが、子供の世代に引き渡したいというのがあらかたの答えとなる。待ってましたとばかりに経年変化に耐えられる、メンテナンスしながら美しく老いていくゆける素材を提案すると、だいたいの場合難色を示される。手間のかからない材料にしてくださいと言われてしまうのだ。世の中にはメンテナンスフリー、つまり手間いらずを売りにした建材が多く出回っている。しかし我々からみるとそれはメンテナンスが不要なのではなくて、その時期を遅くしているに過ぎないし、メンテナンス不可能な材料だったりする事がとても多い。

    たとえば、家の構造体の寿命が50年だとして、その建物に使われる外壁材の寿命が同じく50年ならばメンテナンスフリーの外壁材だといえるのかもしれないが、実際にはそうは行かない。放っておけば外壁の寿命は構造体のそれよりも遙かに短いのだ。一件の住宅に使われる材料をパーツ点数で数えれば2万パーツにも及び、その一つひとつの寿命は皆異なる。その各々ががっちりと接着されていれば、当然寿命の短い方に全てが匹面れてゆく事になる。建物を永く使いたいと思うのであれば、寿命の短いもの程、メンテナンスが可能な材料を選定しておく事が大切となる。

    家は建ち上がった時から劣化が始まる。日本のほとんどの地域で年間温度差は30度を超える。高温多湿で台風もあれば地震もある。ならば建ったその時がいちばん良い事になるんだが、必ずしもそうでも無いと言う考え方に立ちたい。家は住みながら住む人に馴染んでゆくのだ。そこで営まれる生活習慣に呼応してゆくと言っても良い。「家のエイジング」である。古い=劣化という視点に立つと、何かもの悲しい思いに及んでしまうが、古い=新しい価値と考えられると俄然力が湧いてくる。完成の瞬間から劣化が始まる家に住む、誕生の瞬間から老いが始まる人間。エイジングをキーワードに新しい価値を再確認してみたい。

    エイジングと聞いて何を思うだろうか。直訳すればAge+ing=年を経る事、人で言えば老化であり加齢である。なんだか後ろ向きな言葉に聞こえるが、昨年良く耳にするエイジングは必ずしもそうでは無いようだ。このAgingと言う言葉をキーワードにものつくりについて考え、家や建築について探ってみる事にする。

    Aging-01
    人はこの世に生まれて歳を重ねてゆく。成長してゆくのだ。しかしどこかのある段階からそれは成長ではなく加齢と呼ばれ老化となり、多くの場合受け入れたくないものとして立ち塞がる。ならば何才までを成長と呼び、何才からを老化と言うのだろう。多くの女性が化粧をする。化粧は何のためにするのだろうか。やはり若々しく見せるためにするのだろうか。一方で年をとる程に魅力的になる人がいる。顔の皺はまさにエイジングそのもの。人格が顔に出るのだろうか。良い顔になりたいと思う。

    Aging-02
    ビンテージと呼ばれるギターがある。長い年月を経て、類のない音色になる。ただ時間が経てば良いわけではなく、上手な人に引き続けられなければならない。引き継がれて来た人によって音色も異なる。これもエイジングのひとつだ。そもそもが丹誠込めてつくられた良いギターである事が大前提でもある。

    Aging-03
    スピーカーはエイジング効果によって、しばらくしてからの方が音が良くなると言われている。これを「鳴らし込み」と言い、新品の時よりも明らかに音が良くなる。特に昔の紙製のコーンの場合はそれが顕著なのだそうだ。

    Aging-04
    ディスニーランドに代表されるテーマぱーくにはわざと時間の経過を感じさせる塗装を施した建物やベンチがある。エイジング塗装という。新品のトタン板とまるで廃墟のように風化させた趣にしてしまう。ウエザリングなどともいうそうだが、これら塗装のプロにかかればベニア板も大理石に早変わりだ。プラスチック製のベンチが古木製になってしまう。風化させてみせる所までは良いとしても、別物にしてしまうのはどうしたものか。

    Aging-05
    Leica(ライカ)というカメラメーカーをご存じだろうか。1925年に市販機の第1号を生産して以来、現在まで多くの名器を世に出し続けているドイツのカメラメーカーだ。現在ではデジタルカメラも生産しているが、面白いのはすでに生産終了したかつての中古カメラが全く熱の流通経路で市販させていて、そちらの方が現行品よりもはるかに人気があると言う事だ。新しいものよりも古いものの方が人気がある。良いものを作ってきた事が現在の経営を圧迫してしまうわけだから複雑だ。しかし凄いのはその人の手から手へ渡った、かつての全てのパーツを現在も用意している事だ。もの作りへの執念と言うほか無い。

    Aging-06
    使えば使うほどに味が出てくるものの代表的なものに革製品があるだろう。特にオイルレザーと呼ばれるものは逸品だ。革をタンニンでなめしたあとにオイルを浸透させたもので、耐久性が高まり、使うほどに味わいがまして美しくなる。上質なものは爪でこすって傷つけても、布で拭けばまったく跡が無くなってしまう。人の手によって皮が革になったわけだから、せめて革の寿命くらい永らえてあげたいものだ。

    Aging-07
    漆器や陶磁器、作家が丹誠込めてつくった器は手のひらの中で気持ちよく落ち着く。重さや厚さ、偶然か必然かは作者にしかわからない微妙な色合い、古来から人々を魅了して止まない。「大切にしまい込まないで使ってください。」と作者は言うが、割れてしまう事ある。感動的なのはその後だ。金で補修をする。補修の痕はしっかり残るのだが、無傷とはまたひと味違った価値が生まれたような気がしてくる。景色として楽しむ、侘び寂の境地もある。
    新しい価値が生まれたのだ。

    Aging-08
    六本木ヒルズ、汐留、東京ミッドタウン、開発の手法は三者三様だがどれも美しい街が出来上がった。洗練された新しい街だ。住む事にお金がかかるという意味だけでも充分なステイタスを持つ事が出来るかも知れない。一方我らがオフィスを構える日本橋大伝馬町は400年の歴史の中で少しずつ変化をとげて今にある。大小様々種々雑多。多くの商売が行われ、多様な人が住み、ビジネスマンが闊歩する。歴史ある老舗もあれば、若いオーナーシェフのカフェもある。気鋭のアーティストもアトリエを構える。ここには歴史の流れの中に柔らかく呼応しているような背伸びをしない心地よさがある。さてどちらの街に住みたいと思うか。

  6. コラム拝見しました。
    『スローハウス』、『楽しい家づくり』、『エイジング』、どれも素晴らしい考え方ですね。
    性能が良いだけの商品としての家ではなく、よい暮らしを提供する住まいが求められているのかもしれませんね。

  7. そうですね・・・
    私たち建て主としてどのくらい家に対してこだわりを持っているか?その加減次第だと思います。
    私の場合は、家を建てるのであれば・・・それなりの資金が必要だし、どうせ建てるのなら・・・やっぱり・・・それなりのこだわりがあったわけで・・・

    そんなとき、そのこだわりをちゃんと理解して実現してくれる方と巡り会うのかがポイントかなぁっと思います。
    さらに、せっかく建てるのだから設計から完成するまでを全て楽しみながら係わっていくのもポイントですね。

    そうやって出来上がった家が小さくても狭くても納得感が増しますし、愛着がねぇ・・・

    そんな家造りの紹介の足しになればとブログを作りました。

  8. きっと、Kazuya Fujiawra様の書かれた一つ一つの記事が、本当に良い家づくりを広めて行くのだと思います。これからも、是非楽しんで続けてくださいね!

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