不動産コンサルタントの真山(さのやま)です。
今回も引き続き、現地でのポイントをお話し致します。
10.玄関ドア、窓、雨戸、シャッター、建具等の動作状況
建物の中で、実生活上重要なのはドア、扉、雨戸、窓といったものの動作状況です。新築であれば、新品が設置されているので仮に不具合があっても調整や交換をしてもらえます。しかし、中古の物件の場合は、通常、買主側で調整・交換等が必要となるので事前チェックをきちんと行っておくことが大事です。
まずは玄関ドアです。玄関ドアは、毎日使用するところなので問題があれば使用している人が気付いて修理や調整を行っていることがほとんどです。ただ築年数が経った物件では、ドア開閉のストッパーの動きが鈍くなっていたり、鍵のシリンダーが擦り減って鍵を回す時にひっかかりがあったりすることがあります。鍵のシリンダーに関しては、鍵交換によって直ります。
雨戸に関しては注意が必要です。何年も経っていると、その雨戸特有のコツが必要なことがよくあります。きちんと開閉ができて、ロックがかかるのかどうかを確認してください。特に木枠の雨戸に関しては、木部の腐食が進んでいるケースが多いので、いずれ雨戸の取替が必要となると思ってい下さい。雨戸の代わりにシャッターがついている場合もよくあります。新築であれば、まずシャッターになっていると思います。雨戸同様に最後まできちんとロックがかかるのかどうかを確認します。
窓に関しては、クレセントのかかり具合、窓と窓枠の隙間等々をよく確認してください。ガラス窓に関しては、アルミサッシがほとんどだと思いますが、実は、建物のゆがみをみる一つの目安にもなります。窓、窓枠の製品自体は工場で作成され、当初、四隅が直角でゆがみはありません。しかし、建物に設置され、建物がゆがんだり、よじれたりすることによって、窓枠にゆがみが生じます。窓自体は直角なままなので、そこに隙間等が生じます。隙間があまりにも大きい場合は建物の傾きも調査する必要があると思います。
室内ドア、扉等の建具については、通常の開け閉めをしてみて、開閉のどこかでなにかひっかかりがないか、レールから外れていないか、最後まできちんと扉がしまるのかどうか、扉と扉の間に変な隙間がないかどうか等々と現地で確認します。居住中の場合は難しい時もありますが、可能であればすべての建具について動作確認を行い、不具合等のチェックを行います。
11.日当たり、風通し、眺望等の状態
窓のチェックの際に確認しておきたいのが、日当たり、風通し、眺望等の状態です。日当たりについては、必ず方位磁針を見ながら確認してください。日当たりや風通しについては、現地に行く時間帯や天候等に左右されやすい要因です。したがって、朝・昼・晩、晴・曇・雨等々さまざまな状況で、日当たりや風通しを確認したいというのが本音だと思います。ただ、現実的に物件を内覧するのは1、2回なので、方位磁針を見ながら、東から朝日が昇って西に日が沈んでいくそういった一日のイメージをもって現地の日当たりを確認してください。風通しに関しては、天候次第なので確認の難しいところがありますが、南北方向の窓を開けて、風が吹いた時に通り抜けるのかどうかが確認できればよいかと思います。眺望については、大きく変わるものではないので比較的簡単に確認が取れると思われます。余談ですが、通常の居室にすりガラス(曇りガラス)が使用されていた場合は、外側に何かあると思ってください。よくある具体的としては、墓地、近接した隣の家の窓、廃屋等々があげられます。日当たり、風通し、眺望等は、その物件に居住した環境に直結します。物件現地にて生活をしているイメージを浮かべながらしっかりと確認をして、快適な暮らしが得られるのかどうかを見極めてください。?
次回も、引き続き物件のチェックポイントをお話ししていきます。
少しでもお役に立てれば幸いです。