10月も終わろうとしています。この時期から年末まで「アッ」という間に過ぎ去り新年を迎えて又ひとつ歳をとり例年「早いナア」と実感します。
30代40代50代と加速度的に益々時間がスピードアップして私の体を駆け抜て行くようです。
この10月で誕生日を迎えて民法上でもひとつ歳を重ねました。
「厄年」という言葉、殆どの皆さんは知っている事と思います。中でも30代40代の皆さんは大厄の年齢もご存知のはず。
男の大厄は42歳、女は33歳。歳は数え年で数えます。知りたくなくても廻りの人達がわざわざ御親切に教えてくれます。
「ところでねえ、君幾つになったんだっけ今年。」
「ハア、お陰様で丁度四十路に踏み込んだところです。」
「若いなあ、まだまだだナア・・聞いたよ、新築するんだって今年。」
「ええ今の賃貸も手狭になったんでこの際思い切って」
上司と部下の月並みな飲み屋での会話。
「うん、ソレがいい歳も大台だしな、そうか四十か。・・それは数えでか。」
「カゾエ・・ですか」
「数え年だよ、数え年。」
「ウ?ン。確か田舎の爺さんがそんな事を言ってたような。」
「何年生まれだ、西暦で。」
「えーと、1971年の10月4日ですから丁度40歳になったばかりで。」
「ほう、とするとだ・・誕生日過ぎたばかりならプラス1歳で数えの41歳で、今年君は前厄という事になるな。」と部長は静かに盃を置いて意味ありげに眉根を寄せる。
「部長、マエヤクって・・何かいい響きじゃアリませんねえ。」
「その通り!今年は前厄、来年は本厄だ。再来年は後厄と続いて怒涛の厄の勢いだ。悪い事は言わんヤメトケ新築はァ。」
「待ってくださいよゥ、何が怒涛ですか部長。どういう事ですかソレ。」
数え年の算出は現在の西暦から生まれた西暦を引いて誕生日前なら+2歳で誕生日が過ぎていれば+1歳となります。
この厄年の時期に丁度厄災があった等、何故か結構当たります。
42歳といえば男性は働き盛りの真っ只中。
会社では中間管理職、今まで自分の体の事や家の事は後回しでやってきたツケがたまり、健康の曲がり角、子供も思春期を迎え難しい年頃、妻との関係も少し冷え込んでくる。
要するに人生で最も問題が顕在化してくる年廻りという事です。
厄年は日本で確立された陰陽道からきていますが所謂、人生の節目を迎える戒めととらえて下さい。
この時期の新築の計画は何が何でも禁忌だという事ではありません。
家の新築などの人生でも大きな決断をするのであればまず自分の足元を固めてからと言う事です。
健康面ではこれを機にタバコを止める。人間ドックに入る。
身内の人間関係をもう一度見直す。故郷の両親に電話する、思いやりの精神を妻子にも向ける。気遣う。
厄年だからといって恐れることはアリません。
人生の戒めを真摯に受け止め慎重に事にあたれば家の新築もきっとうまく運ぶ事でしょう。