どうして伝わらないのか
間取りの要望でよく耳にするのが、「LDKは20帖欲しい。」、「キッチンは対面型が良い。」という声です。間取りの特徴を表した、もっともな言葉なのですが、それだけでは担当者には「20帖」・「対面型」というキーワードだけが伝わってしまい、「理想の生活は何か?」という一番大切な部分が伝わらないのです。
本来であれば何も言わなくとも、想像を超えるようなプランが提案されて、「うわぁ!すごい!痒いところに手が届くとはこういうプランを言うのだね!」となるのが理想です。しかし、設計者のヒアリング能力・提案力には個人差があります。上手く要望を引き出してそれを実現してくれる設計士もいれば、なかなか核心に迫ることのできない設計士もいるのが現状です。
「要望が伝わらないのは設計士が悪い」と担当者を切ってしまうのも一つの手ですが、私たちも要望の伝え方をひと工夫して、理想を実現できるように担当者と力を合わせていくのが本当の良い家づくりと言えるのではないでしょうか。
部屋数・広さだけではなく、実現したい生活スタイルを伝える
あなたが実現したい生活にはどんなものがあるでしょうか?
「仕事が終わって帰宅したら23時。唯一の楽しみは風呂上りに音楽を聴きながら飲むビール。ゆったりとしたリビングでのんびりとくつろぎたい…」
「家事と育児の両立をもっと楽に、もっと安心して出来るようにしたい。今は料理中に3歳の子供の顔が見えないので心配…」
など様々でしょう。それを是非担当者に伝えてください。
実現したい生活を明確に伝えることで
「それではリビングはフルセットのソファがゆったりと置けるような大きさにしましょう。ちょっとムーディーな空間になるように間接照明をつけて、ジャズを埋め込み式のスピーカーから流してはいかがでしょうか?」
「料理中もお子様の顔が見えるように、お子様の遊べる畳スペースをダイニング脇にとりましょう。幼稚園のカバンやおもちゃをしまえるような、キッズ収納も作っておきますね。」
といった提案が初めて生まれます。
要望どおりの間取りを提案してもらうためには、私たちが今どんなことに困っているのか、新居でどんな生活をしたいのかを担当者に理解してもらうのが一番大切です。
写真を使って、よりわかりやすく
イメージを伝えるのには写真も便利です。モデルハウスやお友達の家で、気に入った空間の取り方・インテリアを見つけたときには是非写真を撮っておきましょう。後で打ち合わせの際に担当者に見せれば、イメージも伝わりやすくなります。雑誌の切抜きを持参するのもいいですね。
担当者とイメージを共有することで間取りはガラッと変わります。是非力を合わせて、素敵な間取りを創っていきましょうね。