不動産コンサルタントの真山(さのやま)です。
今回も引き続き、現地でのポイントをお話し致します。
16.天井、壁等のクロス(壁紙)の状態
現地において、天井、壁等のクロス(壁紙)を確認することで、今まで雨漏りがあったのかどうかを確認することができます。雨漏りがあった場合、周辺にシミが出来ます。そのままにしておけば、シミが残りますし、仮にその部分だけクロスを張り替えたりすると、その他の部分との色合いがずれるので、何かあったことが分かります。新築でも雨漏りが発生することがあるので、過度に心配することはありませんが、雨漏りがきちんと直っているのかどうかは確認をしておく必要があります。雨漏りの原因が特定できず、その雨漏りを放置された場合、水が建物の内部に侵入して、柱や土台を湿らす原因となります。その結果、白蟻等の被害が発生する可能性が高くなります。
実務的な話でいうと、人が住んでいるもしくは直近まで人が住んでいた場合は、それほど大きな心配はしなくて良いと思います。なぜなら、雨漏り等のシミが発生すれば住んでいる人が気付きますし、自分の家で雨漏りがあって直さない人はいないので、必ず何らかの手立てを講じていると思われます。そういう意味で、空き家となって時間が経っている中古住宅は注意が必要です。誰も住んでいないので、雨漏りに気付くタイミングがありません。また、仮に雨漏りがあったとしても、住んでいないので、あえて費用をかけて、ちゃんと修理する人は多くありません。
仮に、雨漏りの形跡があった場合で、その修理が怪しい時は、売買契約において売主の瑕疵担保責任を免責とせずに、責任期間をある程度(個人間売買では通常2?3か月程度)設けてください。そして、その間にリフォーム業者等に確認をさせて、雨漏りによる被害がある場合は、瑕疵担保責任による修復を請求できるようにしておくことが重要です。
17.コンセントの位置、数等の状態
コンセントの位置、数等については、部屋の使い勝手同様にその家で生活したときのイメージを大事にします。必要な家具を配置して、コンセントが隠れないかどうか、エアコンのコンセントはあるのかどうか等々。また、コンセントからブレーカーまでどのような配線となっているのか確認できることは稀ですが、たとえばIH、電子レンジ、電気ポット、ドライヤー等々の電力を大きく消費するものは、専用線で引いてあるのかどうかがポイントとなります。特に冬の暖房器具等を使用する際に一度に使用するとすぐにブレーカーが落ちてしまう場合、回路を分けたり、新しく配線をしたりする必要が生じます。ブレーカーの分電盤の中にそういった回路の増設ができそうなのかどうかもチェックしておくと良いと思います。使用していないスイッチがあれば、基本的に回路の増設が可能です。
正直なところ電気の配線等は隠れてしまっているところなので現場での確認が難しいところです。実際に居住している人がいるのであれば、ブレーカーが落ちることがあるのかどうか。落ちるのであれば、どういった器具をどのコンセントにつないだ時に落ちるのか等々を聞いてみると良いと思います。
少しでもお役に立てれば幸いです。